特集・読みもの

■アベットリールの写真をじっくり見る

これはアベットの小型モデルで代表的な SX6/4MC-RAPTOR です。



アベットリールは光のあてかたによって不思議な光を放ちます。 











これはアベットの小型モデルSXJシリーズにLIVRE BJシリーズの BJ75-83を取り付けたもの。 
アベット専用のLIVRE BJシリーズは当店で販売しています。

さまざまな「カラーバリエーション」を楽しめるのもアベットの魅力です。

それでは、ここからアベットリールの知識をつけていただく「ツアー」が始まります。

■MCモデル(MCキャストシステム)の細部はどうなっているか

さて、アベットリールの特徴の一つにMCキャストシステムというものがあります。
MCキャストシステムは磁石を使ってスプールの回転を制御するもので、ベイトリールの悩みの種である バックラッシュ ゼロに抑え込むことが可能です。


ゼロバックラッシュについてはこの動画を見てください。↓


さて、ここでアベットリールの写真に戻ります。


写真右の丸い回転ノブがMCキャストシステムのコントロール部分です。

回転ノブの周りには1〜5の目盛があります。この回転ノブを、回してMCキャストシステムのパワーを調整します。

アベットリールは先ほどの動画にあったように、MCシステムによるブレーキの設定を強めにすることで、キャスト時にサミングコントロールしなくてもバックラッシュを起さずキャスト出来るブレーキセッティングが可能です。


しかしMCシステムによるブレーキ設定が強すぎると飛距離低下に繋がりますので、サミングコントロールと共にベストなブレーキ設定を行なって下さい。


MCシステムによるブレーキ設定は、ロッドのスイングスピード、ルアーのウェイト、ラインの太さ、糸巻き量、風向き&強さ等によって異なります。
また、サミングコントロールの技量によってもことなりますから、何度か試してご自身が楽に投げられる設定に調整してください。


なお、写真上のボタン(上下にスライドさせます)はクリッカーです。
この他アベットリールの左側面には、製造シリアル番号が記載されていますので、製品購入時にはシリアル番号を記録するようにしましょう。

■ダブルスピードモデルの特徴

アベットリールは「MCキャストシステム」に加えて、ダブルスピードのモデルの設定が特徴です。それではダブルスピードモデルの写真を見てみましょう。


写真中央の四角のプッシュノブカバーから飛び出た丸ボタンがギアの切り替えボタンです。
それから、もう一つハンドル沿いに丸いボタンが見えますが、これがリリースボタンで、これら2つのボタンでギア比/スプール回転数を切り替えます。


ところで、ドラッグレバーの周囲がちょっと違っていることに気が付かれましたか?
(写真は、"RAPTOR"モデル) ドラッグレバーの下のにスライドプレートというクリッカー付きの薄板が配置され、ドラッグレバーの角度を微調整することができます。
"RAPTOR"では通常のモデルの倍のドラッグ力を備えているため、ドラッグレバーを繊細に調整する必要があるためです。

■アベットリールのドラッグの調整について

アベットリールにはレバードラッグ方式が搭載されています。
以下レバードラッグによるドラッグ調整について写真を見ていきます。


ところで、この写真は先ほどの写真とちょっと違うのですが、気が付きましたか?
実はこちらはシングルスピードのMCモデルです。
MCキャストシステムのコントロール部分は、同様に左側についていますが、ギアの切り替えのための丸ボタンが付いていないところなどが違っています。

クラッチはどこ?って探しちゃいますよネ!実はレバードラッグ方式のアベットリールにはクラッチがありません。その代りドラッグコントロールのためのレバーを写真左の方向に動かすことによってスプールを解放します。


スプールを解放した状態の写真がこれ↓


次に巻き取りが可能な状態の写真がこれ↓


更にドラッグを強くするために”FULL”と書いてある右方向に
レバーを押し込んだ状態の写真がこれ↓


ここで最初の写真に戻ります。写真中央に1から12までの番号が書いてあるノブがあります。
このノブはどのように使うのうでしょうか。↓


このノブの名称は”プレスノブ”といいます。予めこのノブを回して希望のドラッグ力を
確保します。時計まわりに回すとドッグ力が強くなり、逆に反時計まわりに回すと
ドラッグ力が弱まります。

■ロッドに搭載した写真やリールフットの様子

今度はロッドに搭載てみたところやリールフットの様子をご覧ください。
下の写真はMXシリーズを小型のジギング用ロッドに乗せたところです。



黒のSXを黒いロッドに乗せた写真です。マサはこの組合わせかなり気に入っています。
どうですかこの質感。


次に前後から見たリールフットの拡大写真をご覧ください。
Fujiの小型リールシートにカッチリ収まって安定感バツグンです。
 



ロッドによってはリールシートが小さくてリールフットが入らないことあがあるようですが
六角レンチでリールフットの前後をさかさまに入れ替えると入る場合もありますし、
それでも入らない場合は小型リールシート用の小型のスペアリールフットがありますので、
当店までお問い合わせください。
下の写真は黒のSXに小型リールシート用のスペアリールフットを
付けて上の写真と同じロッドに乗せたものです。


裏側はこんな感じです。

■アベットリールの写真をご覧いただいて

このようにアベットリールは非常にシンプルな構造となっており、
無垢のアルミ材から削りだしたボディーほかの部品で構成する頑丈な作りとも相俟って
パワフルでダイナミックな釣りを演出してくれます。

ダイナミックな釣りのお供にダイナミックそのもののアベットリールをおすすめいたします。
以上お楽しみいただけたでしょうか。(店長 マサ / Thanks to Junちゃん)

■アベットリールの箱あれこれ

突然ですがアベットリールの箱を並べてみました。
HXの黒い箱とLXやJXが入っている長細い箱。
高さはほぼ同じですが、LXやJXの箱はスリムです。

こちらはHXの箱とSXの箱2つ。

SXのサイズがとても小さいことがわかりますか。

■カモフラージュモデルってどんな色でしょう

次にこれまであまり掲載しなかった各種の色やカモフラージュ色の
拡大写真をご覧ください。
他ではなかなか見ることが難しい紫やみどり色などに加えて、戦闘服(魚との戦闘?)と同じカモフラージュ(迷彩)までございます。
マサは迷彩が似合うお客様を何人も存じ上げていますが、お使いのリールは目立たないシルバーだったりするので、『カモ似合いますよ〜』なんて言うのはナニなんですが、きっといつか教えてあげたいと思っています。
 



ほらほら!あの迷彩ばっかり着てるおにいさんとか、たくさんいますよね!



アベットリールは、全てのカラーのリールで、リールをロッドに固定するための”ロッドクランプ”の色をリール本体と同じ色に着色しています。これは”カモ”のロッドクランプを拡大したもの。

■グリーンとピンクのリールってどんな感じでしょうか。

グリーンのリールって他ではあまり見たことがないと思いますが、せっかくなのでお見せします。グリーンのリールもロッドクランプはご覧のようにきれいにグリーンに着色されています。



グリーンのリールは落ち着いた色なので、アメリカでは人気があるようです。

こちらはピンク。
ピンクの色を写真にきれいに収めるのはとても難しいのですが、ご覧の色は現物に近い色が表現できています。
おまけでもうひとつどうぞ。


■紫(パープル)と金(ゴールド)のリール

他社では見られない紫やゴールドも実はとっても人気があります。
紫はとても鮮やかで海ではとても映えます。
写真だとくすんでしまっているのが残念です。
ゴールドはご存じアベットの定番ともいえるもの。
 






■アベットリール動画集をご覧いただきます。

ロッドに搭載した様子を写真で見ていただくまえに、当店が別途アベットの動画をまとめたブログがありますので、時間がありましたらリンクをクリックして動くアベットリールを確認してください。

アベットリールが出てくる動画集

■ロッドに搭載した写真やリールフットの様子




ロッドに搭載したグリーンのリール思ったよりずっと落ち着いた色です。


次に各種の色をまとめて並べた写真をご覧ください。


たくさんあって目移りが.....。

■アベットリールの写真をご覧いただいて

アベットの写真をみるでは、銀・青・黒のリールの写真を中心にして
ドラッグレバーの動きなどをご覧いただきました。
アベットの写真を見る?はアベットのカラフルな写真を中心にお楽しみいただきました。

ダイナミックな釣りのお供にダイナミックそのもののアベットリールをおすすめいたします。
以上お楽しみいただけたでしょうか。(店長 マサ / Thanks to Junちゃん)

■ベイトリールとは

【ベイトリールとスピニングリールの違い】

構造上の違いとしては、スプールが単体で回転して糸を巻き取るのがベイトリールで、ローターや半円型に形成されたベールという部品がスプールの周りを回転して糸を巻き取るのがスピニングリールです。


ベイトリールの例 【AVET SX RAPTOR

スピニングリールの例 【シマノツインパワー】

具体的には、ベイトリールではスプールと呼ばれる“糸巻き”が単独で回転して糸を巻き取っていきますが、スピニングリールでは、固定された(正確には巻き糸を均すためにスプール部分が上下に動く)スプールの周りを、ローターと糸のコントロールを行うベールのセットが回転してスプールに巻きこんでいきます。

外見上の違いは、ロッドにセットしたときに横からみて下にリールがぶら下がるのがスピニングリール、上に乗っかるのがベイトリールです。

 

(下の写真では、リールがロッドの上に載っているのでベイトリールです。従ってロッドについているガイドの場所も、ベイトリール用のロッドではロッド上部に並んでいます。)



(下の写真では、リールがロッドの下にぶら下がっているのでスピニングリールです。従ってロッドについているガイドの場所も、スピニングリール用のロッドではロッド下部に並んでいます。)




リールそのものの性能が年々向上していることや、PEラインが多用されるなどラインの性能・性質が劇的に変化したことにより、ベイトリールとスピニングリールに関する長所・短所の汎用的な説明がますます難しくなっています。

しかし、一般的な傾向としてベイトリールの対象の釣りと、スピニングリールの対象の釣りの大きな違いは、そこで使われるパワーがかなり違う点です。 このパワーとは、重いルアーを自由自在に探るパワーであり、トローリングのティーザーなどの重いリグを回収できるパワーです。更に魚とのファイトにおいて、ルアーやリグの重量をはるかに凌ぐ巨大な魚との対戦を可能とするパワーです。

このパワーをサポートしてくれるのはベイトリールです。ベイトリールの弱点としては、軽いリグ、例えばノーシンカーワームや軽量なプラグなどの取り扱いには不向きな点です。


【なぜベイトリールと呼ぶのか】

下左の写真はアベットSXJのドラッグレバーを押し込んで、ドラッグの効きを最大にした状態です(写真は右ハンドルの場合)。リール本体には(1)FREE, (2)BAIT, (3)STRIKEと書いてあるのがみえますか。

  

ハンドルを戻してあるこちらの写真では、一番奥にFULLと書いてあることが確認できます。


レバーの場所ごとにリールのドラッグがどのような状態なのか説明するためにこのようなマークが付いています。ところで、それぞれのマークの場所でリールはどんな状態かといいますと、 

(1) FREE :文字通りフリースプールになっており、スプールは自由に回転します。

(2) BAIT :フリースプールに近い状態ですが、ブレーキパッドとブレーキディスクがやや接近しており、僅かですがスプールの回転に制御がかかります。餌を投げ込んだり、仕掛けを投入する場合にこのポジションで行います。BAITとは餌のことで、「餌を投げるならこのポジションで」とう表示です。

(3) STRIKE:ブレーキパッドとブレーキディスクが密着してドラッグをかけています。

(4) FULL:STRIKEでは魚に走られてしまい、更なるドラッグが必要な場合にレバーをFULLまで押し込んでドラッグを強化します。

このようにアベットリールには本体にBAITというレバーのポジションが記載されており、アベットリールが餌釣りでの利用を重視していることがわかります。 

前置きが長くなりましたが、両軸リールは歴史的に、餌を付けた仕掛けを投入するツールとしての位置付けが長く、そのため一般的な名称として「ベイトリール」という名前で呼ばれています。

これに対して片軸リールという名前のリールがありますが、シンプルで華奢な片軸リールが主に軽量な疑似餌を使うフライフィッシングや繊細なチヌ釣り向けに使われることが多いことに対して、より重量のあるデッドベイトや生餌を仕掛けにする釣りでは、頑丈な両軸リールが使われることで、両者のリールの棲み分けが行われています。

片軸リールの例


両軸リールがベイトリールと呼ばれるようになった理由は、このように釣りの長い歴史を紐解くことで理解することができます。



■ベイトリールの特徴

片軸リールの話が出てきましたが、現状ではベイトリール(両軸リール)とスピニングリールの2大勢力が市場を2分しており、片軸リール他の形式のリールはややマイナーな存在なため、ここではベイトリールとスピニングリールのメリット・デメリット対比を行うことで、ベイトリールを理解していただくこととします。

【ベイトリールのメリット】

縦に巻く力を同方向で伝達するため糸にヨレが生じない。

スピニングリールでは、ローターとベールのセットが糸の方向を90度変換 してスプールに巻き取っていくため、宿命的に毎回のリトリーブの度に糸が 捻じれを起こすのに対して、ベイトリールではこのようなことが起こりません。


 縦に巻く力を同方向で伝達するためパワーロスが掛からず力が強い

ベイトリールでは糸がダイレクトにスプールに巻き取られ、パワーロスが 殆どありません。


 フォール中やリトリーブ中の魚信がよりわかりやすい

ベイトリールではフォール中でもラインとスプールのテンションが常に存在す ることから、微妙な魚信(あたり)も把握することができますが、スピニング リールでは一旦ベールを解放するとリールとラインのテンションが殆ど存在しないため、魚信(あたり)を把握することができません。


 構造が単純なのでボディーをコンパクトにすることが可能

スピニングリールでは、ローターとベールのセットを回転させる機構に加え、スプールを上下させる機構などがあり複雑。一方ベイトリールでは基本的にスプールを回転させるだけなので、構造が単純でダブルスピードなどの機構を組み込むスペースを確保できる。


 サミングしやすい

ベイトリールでは、回転しているスプールに指で触れることにより回転数を落としたり、着水時や向い風による糸の放出スピードとスプールの回転の不整合によるバックラッシュを防ぐためのブレーキ代わりとするなど、簡単にスプールの回転をコントロールすることが可能です。また、手のひらや指でドラッグの替わりとして回転を制限する等の高度なテクニックを使うことが可能です。

一方スピニングリールにおいては、基本的にベールを返すことにより糸のフリーフォールの障害物を解放し、糸を放出するため、次にベールを返すまで糸に制限を掛けることができなくなり、ベイトリールのようにサミングができません。


【ベイトリールのデメリット】

キャスト時スプールを引きながら糸が出るので飛距離が出にくい。

キャスト時スプールを引きながら糸が出るので軽い物は投げにくい。

スピニングリールでは生じにくい「バックラッシュ」が発生する。

 

  

「バックラッシュ」とは、主にキャステンング等のライン放出時に起こる障害のことで、写真のようにラインが絡み合ってリールが通常に使用できなくなる状態をいいます。

スプールとラインという質量が大きく異なる物質が同時に加速と減速をシンクロさせることが困難なことから起こる症状で、これを防止するためにサミングによるスピード調整や、マグブレーキやメカニカルブレーキによる対策が取られます。

スピニングリールにはこのような現象が起こる仕組みが存在しないため、バックラッシュも発生しません。但し、ラインが捻じれることからバックラッシュに似た症状が生じることがあるのは有名です。

  

■ベイトリールの種類

ベイトリールには大別して、レバードラッグ式ベイトリールと、スタードラッグ式ベイトリールの2種類があり、各々ドラッグのかけ方に特徴があります。 

 

【レバードラッグ方式のベイトリールの特徴】

  

カーボン製の薄板(以後「ブレーキパッド」という)あるいは金属製の「ブレーキディスク」と呼ばれるドラッグパワーを生成する仕組みを組み込んでおり、これらを1組若しくはそれ以上組み合わせています。

軽量のブレーキパッドをスプールに貼付(若しくは別の不法でスプールに同期)させ、ドラッグレバーを使ってブレーキディスクとブレーキパッドを圧着させることで摩擦力(=ドラッグ力)を生み出しています。また、レバードラッグ方式は、クラッチなどの仕組みが不要で構造がシンプルなため、ダブルスピード方式などの機能を組み込むことが可能です。


  

上の写真の黒くて表面がざらざらした円形の部分がカーボン製のブレーキ パッドです。

  

上の写真の丸くて銀色の円盤がブレーキディスクです。中心部に穴が6ヶ開いているのがわかりますか。

  

ラプターシリーズはドラッグ力を強化するため、ブレーキディスク2枚でブレーキパッドを挟むことで強力なドラッグを獲得しています。

そのため、この6ヶの穴にもう一枚のブレーキディスクにある6本のピンを差し込むことで、2枚のブレーキディスクを同期させるとともに、ドラッグの調節のために2枚のブレーキディスクを強く挟み込む(=2枚のディスクの間隔をより狭める)ことが可能な仕組みにしています。

ラプターモデルのユーザーの方は時々金属が触れ合うような”キンキン”する音がかすかに聞こえることがあると思いますが、これはこの6ヶのピンがもう一枚のディスクの穴に当たって音を出しているものです。


  

こちらはノーマルタイプのブレーキディスク。6ヶの穴はあいていませんね。 金属板の同期が不要なため、穴があいていません。

【いわゆるクラッチの働きはどのようになっているのか】

フリースプールとする場合は、ブレーキパッドとブレーキディスクの隙間を広げ、逆にドラッグを得る場合にはドラッグレバーを回転させることによりブレーキパッドとブレーキディスクを圧着させて、 それらの摩擦力によりドラッグを得ています。

ブレーキパッドとブレーキディスクの隙間の調節は、下の写真中央下にある、プレスノブという ピカピカ光った丸くて回転するノブで行います。

  

クラッチの接続の感覚は、一般のスタードラッグでは繋いだ途端に急にハンドルに負荷が掛る感覚があると思いますが、レバードラッグ方式では、レバーを倒していくほどドラッグの力が強くなるので、急に負荷が掛るというより、ドラッグパワーの増加を思いのままに調整できる感覚です。

レバードラッグ方式のリールでは、最初は2キロ程度のドラッグでフッキングまで対応し、ファーストランが止まったところでドラッグを5キロに上げてファイトに持ち込むといった戦略が容易に組み立てられます。

【スタードラッグ方式のベイトリールの特徴】  

  

写真は「シグラーリール」)のスターマグモデルです。ハンドル軸の周辺にある星のような形状のドラッグ力調整用のノブがわかりますか。

スタードラッグ方式のベイトリールでは、メインシャフトに連動して動く「ストッパーギア」とメインギアの間に複数の「ドラッグワッシャー」を配置し、スタードラッグノブを回転させ、インナーチューブを介して、メインギアの内径に収まるサイズのドラッグワッシャーに横方向の圧力を加えることで摩擦を生じさせ、ドラッグを生み出しています。


このようにスタードラッグ方式では、ドラッグワッシャーの直径が最大でもメインギアの内側に収まるサイズであることから、スムースなドラッグのすべりを実現するためには、ドラッグワッシャーやギアの摩擦面の高度な処理、ドラッグ用のグリスの適正な維持が欠かせません。

一方レバードラッグ方式では、ほぼスプール直径に等しい大きさのブレーキディスクとブレーキパッドを圧着する方法でドラッグを獲得していることから、よりスムース・滑らかなドラッグのすべりを実現しており、摩擦面の変化等によりドラッグパワーが劣化することが相対的に少ないことは特筆に値します。 

但し、前述のようにドラッグ生成用のカーボンがスプールに貼付され、横からの強い力が加えられていることから、スプールの強度が相当程度求められ、スプールの重量が相対的に重くなります。スプールの重量が増加するほど軽量のリグを遠投することが難しくなり、バックラッシュの発生する確率も増加します。

【レバードラッグタイプのレバー部分の構造】

  

これがレバーの内側についている傾斜加工された部分。(雌カム) わかりにくいのですが、レバーが回転すると角度によって傾斜部分の高さが変わります。

  

そしてこちらは先ほどの傾斜部分が接しているリール本体側の「カム」。(雄カム) 雌カムと雄カムは常に接点を3ヶ所維持しており、レバーの回転で傾斜部分がずれるため、 各カムの距離は、レバーの角度により離れたり近づいたりします。

  

”フリー” と書いてあるところにレバーがある状態。レバー部分と本体の距離はほとんどありません。傾斜部分の低い溝のところに(雄カム)がはまっています。

 

  

”STRIKE”まで回転させたところ。本体とレバーの間に隙間ができています。 傾斜部分の途中の浅い溝に(雄カム)がはまってます。


  

”FULL”まで回転させたところ。本体とレバーの間の隙間が広がっています。 傾斜部分の途中の浅い溝に(雄カム)がはまっています。最大で5ミリほどの隙間ができます。 この時リール本体の中では何が起こっているのか........
みなさんお解りの通りで、カーボンのブレーキパッドと金属製のブレーキディスクの隙間がその分狭くなります。


アベットを使っているユーザーの方は、レバーを回してドラッグを強くすると、スプールが レバー側に少しだけ近づく(場所がずれる)ことを御存じかと思いますが、これがその理由です。

リール本体のシャフトの途中に ”ベルベルワッシャ”という複数のワッシャが組み込まれていますが、このワッシャは湾曲していて、4枚〜6枚が組合わされており、圧力がかかると反発しますので、ドラッグを生じさせるためにこのワッシャは不可欠なものとなっています。

時々自分でメンテされる方が、”ベルベルワッシャ”の方向を間違えてしまったり、4枚ないし6枚のワッシャの枚数を少なくしたりすることがありますが、ドラッグの強さは、”ベルベルワッシャ”の方向で調整するため、ドラッグ力が変動してしまいますのでくれぐれもご注意ください。

【最後に】  

ベイトリールはバックラッシュが生じやすいことや、ラインのコントロールが難しい点など、特にビギナーの方は少し近づきがたい印象を持つかもしれません。

しかし、一度でもベイトリールを手にしてその優れた面や上達するまでの難しさを知ってしまうと、今度は逆にベイトリールにのめりこんで、簡単すぎるスピニングリールへの興味を失うヘビーユーザーが多いのも事実です。

ベイトリールはとても奥が深いのです。

この記事の読者が少しでもベイトリールに興味を感じて頂けたら、記事を書いた目的は達成できたと思います。

ベイトリールによる大物との対戦を自由自在にこなし、繊細なベイトリールによるキャスティングを思った通りにできる日を夢見て、あなたもベイトリールを使ってみませんか!

長い記事をここまでお読みいただきありがとうございました。

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